マレーシアで車の運転をするための免許証については、観光の方は「国際運転免許証を利用する」の(ほぼ)一択ですが、長期滞在者のうちMM2H査証所持者は日本の運転免許からマレーシアの免許への「切り替え」が出来ます。ただ、その手続きはなかなか大変。これから取得をする方に少しでもお役に立つよう、自分の経験(苦労)を共有します。
1.マレーシアで車を運転するための免許はどうするか?
(日本人の方が)マレーシアで車の運転をするための運転免許証についてですが、以下の3通りがあります。
1)日本で事前に取得してきた国際運転免許証を利用する
2)日本の運転免許証をベースにマレーシアに運転免許証を取得する(要するに、切り替え)
3)(マレーシアの教習所に通うなどして)試験(筆記&実地)を受けて取得する
観光ではない長期滞在の場合は、上記2)の「日本→マレーシア」の免許切り替えが可能でしたが、マレーシア政府の方針変更により残念ながら2025年5月からは「切り替え」ができるのはマレーシア・マイ・セカンド・ホームプログラム(MM2H)査証所持者(及びその配偶者査証所持者)や外交団のみに制限されました(詳しくは在マレーシア日本大使館のサイトをご参照)。よって、「切り替え」対象にならない長期滞在の方は、国際運転免許証を利用することとなります。国際運転免許証は有効期間が1年間であるため、1年以上マレーシアに長期滞在する場合の運転免許については毎年更新のために帰国することが必要となります(これはあくまで現時点=2025年9月)の情報です)。
MM2H所持者の方は「切り替え」が引き続き出来るのですが、それはそれで、手続きがなかなか大変です(もちろん、この方法をとらずに国際運転免許を使い続けるという選択肢もあります。もしくは上記3)のマレーシア教習所に通って試験を受けて取得する方法もありますが、なかなかハードルが高いと思います)。
2.申請から受領までは1ヶ月~3ヶ月(?)
「日本→マレーシア」の運転免許証切り替え手続きの流れは、おおまかに以下の3段階です。
●日本大使館で、日本の運転免許証の翻訳証明書を発行してもらう
●マレーシア道路局(JPJ)にて運転免許証切り替えの申請
●マレーシア道路局(JPJ)にて運転免許証を受領
こう書くと、簡単なようではありますが、JPJでの申請、受領においては書類記入などの作業&苦労がありますので、順を追って説明します。なお、JPJで申請をしてから受領までにかかる期間は(通常は?)1か月~3か月です。マレーシア道路局の作業の効率化が進んでいるためかわかりませんが、私の場合は申請からちょうど1か月後には「承認」通知メールが来て、無事受領することができました(といっても、実際に受け取るまではちょっとドキドキしました)。
3.日本の運転免許の翻訳証明書の発行
日本の運転免許証の翻訳証明書(日本語→英語)については、日本大使館に申請して発行してもらうものであり、申請&受領作業は日本語で行えますので、簡単です。大使館のウエブサイトをよく読んで申請・受領を行えば良いです(パスポートの原本、運転免許証の原本とコピー、手数料などが必要)。遠隔地在住の場合はオンライン申請もできるようです。
4.マレーシア道路交通局(JPJ)に申請する
1)切り替え手続きの場所
日本大使館でJPJの場所を記載した紙をもらえます(右参照)。クアラルンプールにあるJPJ(住所:Lot 14264, Jalan Genting Kelang, Setapak, 53300 Kuala Lumpur)とセランゴールにあるJPJ(住所:Padang Jawa, 40620 Shah Alam, Selangor)のいずれかで申請・取得が可能です。JPJ自体はマレーシア各地にあり、クアラルンプールの以外のJPJでも免許証取得は可能なようです(例えばペナンのJPJ)。ただし、例えば、ランカウイのJPJでは切り替え作業の対応はしていないようです。よって、事前に要確認。私の場合はマレーシアに来て最初の1か月はクアラルンプールに滞在していたため、迷うことなくクアラルンプールのJPJで申請しました。日本大使館でもらえるクアラルンプールのJPJについては、上記の紙に地図も記載されています。

2)申請に必要なもの
ア)申請用紙:以下の2つの様式への記載が必要。これらの様式は、JPJのウエブサイト(←ここをクリックして、上にいくつかあるタブの中から「Driver License」を選んでクリック)からダウンロード出来ます。様式が複数掲載されていますのでえ、間違えないように選んでください(以下をクリックすると、それぞれのPDFに飛ぶことができます)。この項目の下には翻訳ソフト(Deepl)で和訳してみたものをつけておきます。
●Driving License Application Form (JPJ L1)
●Application Form Exemption Application Method5 Appendix B-2
イ)パスポートの原本と顔写真ページのコピー
ウ)パスポートのビザページのコピー
エ)日本の運転免許証の原本とコピー
オ)大使館発行の運転免許証の翻訳証明原本
カ)MM2Hの承認レターの原本とコピー
※JPJ所定の申請様式はマレー語で記載されていますので、翻訳ソフト(DeeplやGoogle翻訳)を使って解読しながら記入すると良いです。ただし、自分で埋めるところはそれほど多くはありません(名前、旅券番号、住所、生年月日、署名など。様式「JPJ L1」であれば項目Bのところ。様式「Appendix B-2」であれば、項目A,B,C,D,E,H。Eのところは大使館に発行してもらった翻訳証明に書かれたものと同じように記載。DとHのところはマレーシアの滞在目的を書くところがありますが、私の場合は「I am to stay in Malaysia under MM2H programme」と記載しました)。何を書けばよいかよくわからないところがあれば、そのまま空欄でも大丈夫です。JPJに申請に行った時に窓口の方が確認してくれます(追記の有無等)ので、なんとかなります。
3)いよいよJPJで申請(JPJには申請手続きだけで2回行きました)
他の方のウエブサイトをみると申請手続きは1回だけのJPJ出頭で済んでいるようですので、私だけたまたまそうだったのかもしれませんが、JPJには2回行かなければなりませんでした。
流れはざっとこんな感じです。。
【JPJ1回目】
日本大使館でゲットした地図とGoogle Mapで場所を確認してクアラルンプールのJPJにバスで到着。広い敷地の中にある事務棟に行き、案内の紙に従って正面から左にぐるりと回り4番入口へ。ドアの外までできている列に並ぶが間もなくして、最初の窓口に。そこで日本の運転免許証をマレーシアのものに切り替える手続きに来た旨を伝えると整理券を渡される。


ドアの外までできている列に並ぶが間もなくして、最初の窓口に。そこで日本の運転免許証をマレーシアのものに切り替える手続きに来た旨を伝えると整理券を渡される。待合スペースは数十人が座れる席があり、ほぼ満席。正面に横に幅広く伸びたカウンターにはいくつかの窓口が並ぶ。カウンター中央の上に、番号が出る電光掲示板があり、そこで受付番号と対応してくれるカウンターの番号が表示されるのを待つ、という仕組み。1時間以上待ち、指定されたカウンターへ。そこで、申請に必要な書類が整っているかどうかを確認してくれ、「これで、とりあえず無事申請は終わった。。」と思ったところ、「これらの書類を持って、この日時にあらためて来るように」と1週間後の日時を書いた紙を渡されました。要するに、この日は申請のための事前確認作業?のようなもので終わりました。。
【JPJ2回目】
1回目のJPJ出頭から1週間後の2回目の出頭。申請は無事終了
前回同様、クアラルンプールJPJの4番入口に行き、入口直近の窓口で前回渡されたアポ日時が記載された紙を提示。一番奥の窓口(外国運転免許証からマレーシア運転免許証への切り替え申請を受ける窓口のようです)に行くように指示され、そこで再び書類がきちんとそろっているか、必要事項が記入されているかなどが丹念に確認され、無事受理されました。なお、実は指定時間帯に少々遅れて着いてしまったのですが、そこはマレーシア人の優しさで、無事対応してくれました(が、基本的には遅れずに出頭することが重要。「出直し」と言われても、文句は言えませんので。。)
申請受理とともに、窓口の方から「1ヶ月後~3ヶ月後の間にメールで承認の連絡が行くので、その後、90日間に免許証を受け取りに来ること。また、JPJのウエブサイトでも承認の有無が確認できる」「JPJeQのアプリをダウンロードしておくように」と教えられ、承認状況確認用のウエブサイトのURL Inquiry of Foreign Country Driving License Exchange – Portal Rasmi JPJ 及び確認用番号が記載された紙が渡されました。また「朝8時までには来ること。それより遅くなると整理券がなくなって免許の受け取りが当日中にできず、出直す羽目になるから」と言われました。申請の指定時間帯に少々遅れた自分としては、ここは固く肝に銘じました。
受領については、メールで承認通知が来てから(または、確認用ウエブサイトで申請のステータスが「承認」になってから、その承認日から90日以内に、申請した州道路運輸局(JPJ)にてマレーシア運転免許証の発行手続きを行う必要があります。他の方のウエブサイトをみると、必ずしもメールで通知が来るわけでもないようですので、JPJウエブサイトでの確認もこまめに行ったほうがよいかもしれません。
4)その他、申請時の注意事項
●パスポートの顔写真ページとMM2Hビザページを同じページにコピーして持っていったのですが、申請窓口で「別の紙に印刷して提出するように」と言われました。JPJ内にコピーサービスを行っている場所があるので、そこでコピーしなおしました。
●ビザを取得後パスポートを更新した方は、新旧両方のパスポートのコピーが必要です。
●繰り返しになりますが、とにかく万が一書類不足で出直しとなると、いろいろと大変ですので、不足がないように準備していくことが重要(特にMM2H申請時&更新時のそれぞれの旅券コピー)。そして、それぞれ別の紙に印刷していくこと。。
5.承認の連絡を受けていよいよ受領
1)ちょうど1ヶ月後に承認メール届く!
申請受理の後は、連絡連絡を待つのみ。同じように運転免許切り替えをした方のウエブサイトをみると、実際には3ヶ月以上かかったというケースもあるようなので、「さすがに1ヶ月では無理かな~」と思っていたところ、なんと申請日(2回目のJPJ出頭)からちょうど1ヶ月目にメールで承認連絡が来ました。

このときはクアラルンプールからランカウイに移っていたので、急いでクアラルンプール行きの飛行機を予約。JPJ行きのバスが出るバス停近くに宿をとり、当日は朝6時起床。JPJには朝7時半前に到着しました。
2)免許証受領に必要なもの
ア)申請が受領された際に渡された書類(承認を確認するための番号などが記載されたものです)
イ)顔写真((25mm x 32mm。背景が白色のもの)。JPJのほうでスキャンして免許証(カード)に取り込むためのものです。
ウ)手数料(140RM)。クアラルンプールのJPJでは現金不可でカードで支払いました。
エ)その他:(免許証受領後に)Pマーク初心者マークステッカーの購入。日本では何年も運転歴があってもマレーシアで最初の運転免許取得であれば、Pマークを車の前部、後部の窓ガラスに貼ることが必要です。
3)オフィスオープン前に順番待ちの列

「到着が遅れて出直しになることは絶対に避けよう」とJPJ開所時間の午前8時よりも前に、申請時と同じ4番入り口に着くと、すでにそこには20人ほどの列。しばらく並んでいると、おじさんが現れ、入り口前に置かれたサインボードに大きく表示されたQRコードを指刺し「JPJeQのアプリでこれをスキャンするように」との指示。ここで初めて、JPJeQのアプリがなぜ必要なのかを理解。そして、QRコードをスキャンすると、そこには受付番号と対応カウンターの番号が表示される仕組みです。申請時は窓口で紙をもらっていましたが、免許証受領の時はQRコードで番号が表示される仕組みのようです。
4)ついに免許証をゲット
午前8時には時間通り、ドアが開けられ入室。カウンター上の電光掲示板には受付番号が表示され、自分の手持ちのアプリ画面には、見込みの待ち時間までも表示され、自分の順番が来るのが刻々とわかる仕組み。なかなか親切です。結局、1時間も待たずに順番が来て、必要書類を提示し、顔写真を渡し、そして手数料をカードで支払い(現金不可)。
そして窓口でそのまま5分ほど待たされた後、顔写真をスキャニングで取り込んだ運転免許証(有効期間2年)を無事ゲットしました。苦節(?)約1ヶ月。
なお、忘れてはいけないのが「Pマーク」。免許証を渡してくれた担当官にすかさず「Pマークステッカーを購入したい」旨を伝えると、「今は切らしているが、敷地内に売っている場所があるのでそこで購入できる」とのこと。JPJ建物のメイン入り口のほうに戻ると、Pマークを販売していることを示していたキオスク的な小屋があり、そこで購入。車の前部と後部の両方のウインドウに貼ることが必要なので、2枚必要です。

Pマークステッカーは、こんな感じで大きいです。中古車を免許証取得前に購入できたのですが、駐車場に置きっぱなしでした。これで晴れて、運転出来ることになりました!
そんなこんなで、あたふたしながらも、日本大使館での翻訳証明申請からトータルで約1ヶ月半でマレーシアの運転免許証入手にこぎつけることができました。これまで同様の作業をした方のウエブサイトなどもとても参考になりました(この記事は、そうした方の記事と重複する部分もありますが、自分なりにいろいろと補足した情報&最新情報として書きました)。
なお、クアラルンプールであれば移動については公共交通機関(電車&バス)及びGRABで十分かもしれませんが、地方に行くとやはり車を運転できた方が便利。上述のように、日本の運転免許証からマレーシアの運転免許証に切り替えるには1ヶ月以上(場合によっては数ヶ月?)かかることを考えると、とりあえず日本で国際免許を取得してくれば、それで運転ができるので安心です(私の場合は、国際免許を取ってこなかったため、徒歩&公共交通機関利用で生活していました)。


